人によって「虫歯のなりやすさ」に差があることはご存知でしょうか。
大人になっても虫歯になったことないと言う人もいれば、いくら丁寧に歯磨きをして定期的に歯医者でクリーニングを受けても、虫歯になってしまう人もいます。
実は、この差はある程度体質によるもので、適切なケアを行うことで虫歯になりにくい体質を手に入れることができます。
目次
1.虫歯のなりやすさは2歳までに決まる
虫歯は、口の中の虫歯菌が糖分を栄養にして酸を出します。この酸は歯の表面を溶かし、穴をあけていきます。これが虫歯です。
生まれたばかりの赤ちゃんは口の中が無菌状態です。虫歯菌は赤ちゃんが生まれてから生活していく中で、周りの大人たちが持っている虫歯菌が感染していきます。
歯が生え始め、生え揃うまでが生後半年~3歳までが感染する期間です。。その中でも1歳半~2歳半の時期が特に感染する確率が高いです。この時期は虫歯菌だけではなく様々な菌が定着していきます。そして、一度口腔内の菌のバランスが決まってしまうと、基本的にはそのバランスは一生変わりません。つまり、この時期にたくさんの虫歯菌に感染してしまうと虫歯になりやすい体質になってしまうのです。
また、感染する時期によっても違いがあります。基本的には早い者順で菌が定着していきますので、早く感染するとその分だけ多くの虫歯菌が定着してしまうことになります。
2.感染の経路
では、虫歯菌はどのようにして感染していくのでしょうか。
基本的には周りの大人たちが持っている虫歯菌が、唾液によって感染していきます。感染ルートは主に以下の3つです。
- 食事からの感染
- かじったものを子供にあげる
- 熱い食べ物を息で冷ませてからあげる
- 食器の共有
- 同じ箸や食器を共有する
- 同じストローやコップ、ボトルなど、直接口を付けて飲んだ飲み物をあげる
- キスなどのスキンシップ
しかし、これら全ての感染ルートを断つことは非常に難しいです。特に、お子さんとのスキンシップは子育てという面からしてもとても重要です。
全ての感染ルートを断つのではなく、感染ルートを知ることが大切です。
3.虫歯の感染を防ぐ方法
虫歯菌の感染ルートを知ったところで、具体的にどのような予防対策ができるのかを見ていきましょう。
子供が生まれる前からお口の中をケアして細菌を減らす
お子さんが生まれる前からケア出来ることがあります。それは、感染源となる周りの大人たちのお口の中をケアすることです。また、虫歯がある場合は生まれる前に全て治療しておきましょう。治療が終わったあとは歯医者で定期的にクリーニングを受けることで虫歯菌の量を減らすことができます。
また、セルフケアとして、毎食後の歯磨きと、1日1回はデンタルフロスなどを使って歯の隙間や歯茎の境目などを丁寧に磨きましょう。唾液量が少なくなる寝る前がおすすめです。
また、キシリトール配合のガムやタブレットで虫歯菌の働きを弱めることも有効です。
食器類を分けるなどして虫歯菌の感染を防ぐ
お子さんの歯が生えてきたら、虫歯菌が感染しないように気をつけましょう。
大人が食べかけのものやかじったものを子供にあげない、箸や食器類は別々の物を使う、子供の料理はあらかじめ取り分ける、菜箸を使う…など。
歯磨き時に使ううがいのコップも分けましょう。
フッ素塗布など、乳歯へ虫歯菌が付きにくい環境をつくる
虫歯菌が付きにくい環境をつくるために、毎食後に歯磨きをしましょう。歯磨き粉は虫歯予防に様々な働きをするフッ素配合のものがおすすめです。
また、歯医者でのフッ素塗布は市販のものより高濃度で効果も大きいため、3ヵ月~半年に1度の塗布がおすすめです。
4.虫歯菌を増やさない方法
虫歯菌は糖分があると爆破区的に増殖します。そして増殖した虫歯菌に占領されてしまいます。そんな事態を避けるために糖分の摂取量を、口の中に糖分が長く残ることは控えましょう。具体的な方法は以下の通りです。
- 砂糖の接種を控える
糖分は虫歯菌の働きを活発にするので控えましょう。また、アメやジュースなどは口の中に糖分が残る時間が長くなってしまうのであげないようにしましょう。 - だらだら食いをしない
糖分は虫歯菌の働きを活発にするので控えましょう。また、アメやジュースなどは口の中に糖分が残る時間が長くなってしまうのであげないようにしましょう。
5.おわりに
お子さまが虫歯体質にならないように気を付けるポイントをおさらいしましょう。
- 食器を分けるなど、大人からの虫歯菌の感染を防ぐ(感染源のケア)
- 子供が生まれる前から口腔内ケアをする(感染経路を断つ)
- 生活習慣を整えて子供の虫歯菌を増やさないようにする(虫歯菌を繁殖させない)
繰り返しになりますが、お子さんが今後虫歯になりやすくなるかどうかは、2歳ごろまでのケアで決まります。虫歯菌感染予防を全て実行することはとても難しいかと思いますが、虫歯予防について知識があるのとないのとでは大きな差があると思っています。
まずはできることからすこしずつはじめてみましょう。